THE　WORLD　HERITAGE　 Europe 　No.europe26

国名

ポルトガル

遺跡名称

シントラの文化的景観

登録年・遺産種別

１９９５年・文化遺産

訪問日

２０１８年６月１３日

備考

https://worldheritagesite.xyz/sintra/

■シントラはリスボンから北西約30kmのところにあり、その歴史は8〜9世紀、イベリア半島に進出したイスラム教徒のムーア人が城を建設したことに始まり、ムーア人からリスボンを奪回した初代ポルトガル王アフォンソ1世により1147年ポルトガル王国に併合されました。14世紀頃にはポルトガル王室の夏の避暑地となり、19世紀以降は王侯貴族らが豪華な館を建て、この地に残されている建造物を含めた街の景観自体が「シントラの文化的景観」として世界遺産に認定されています。

■ムーア人の城壁

8〜9世紀ムーア人が築いた城跡で現在は城壁のみが残っています。

■王宮

13世紀末イスラム教徒が残した建物をディニス1世が整備し、その後15世紀初頭にエンリケ航海王子の父ジョアン1世が夏の離宮として大幅に増改築、16世紀にはマヌエル1世が大航海時代の発見による富を惜しげもなくつぎ込んで増築した宮殿です。
マヌエル1世の時代には、マヌエル様式の建物が増築され、その後の歴代の王も、それぞれ趣向を凝らして増改築を繰り返していきました。その結果、ゴシック、マヌエル、ムデハル（イスラム建築が融合した様式）、ルネサンスといった様々な様式が混在した宮殿となりました。

■白鳥の間。
宮殿内でもっとも広く、天井に27羽の白鳥が描かれています。
ジョアン4世が1662年 当時では超晩婚の27歳でイギリスに嫁いだ娘カタリーナの幸福を願い、夫婦円満の象徴である白鳥を描きました。なお、カタリーナがイギリスにアフタヌーン・ティーの文化をもたらしたそうです。
また、日本の天正遣欧少年使節団も1584年に当時の統治者にこの部屋で謁見しています。

■白鳥の間のアズレージョ。

■カササギの間。
この部屋には逸話があります。ジョアン1世は女官にキスしているところを王妃に見つかり、「善意でキスしたのだ」と弁解し、王妃は何も言わなかったけれど、噂が女官たちの間で広まってしまいました。そのため、天井にはおしゃべりという意味がある鳥カササギが「por bem（善意で）」と書かれた短冊をくわえ、足には赤いバラ（王妃の実家の紋章）を挟んでいる絵を描いて、ゴメンなさいしたとのことです。

■カササギを拡大します。

■カササギの間のアズレージョ。
アラブ風です。

■ドン・セバスティアンの部屋。
この部屋のアズレージョは「ぶどうの葉」と「とうもろこし」がモチーフになっています。

■紋章の間。
16世紀マヌエル1世がポルトガル貴族の紋章と自身の紋章の計72個を天井に描かせた部屋です。

■天井。真ん中が自身の紋章です。

■ヴァスコ・ダ・ガマの紋章。

■紋章の間のアズレージョは18世紀のものです。

■礼拝堂。
14世紀初頭ディニス1世時代に作られて残っている、この宮殿では一番古い部分です。

■アラブの間の噴水。

■アラブの間のアズレージョ。
ポルトガル国内で現存する最古のものだそうです。

■厨房。

■煙突。

■大広間。

■大広間のアズレージョ。
上の部分は「とうもろこし」と「？（覚えていません）、下は「天球儀」をモチーフにした模様です。

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